遥けし
はるけし
形容詞
標準
文例 · 用例
大和はも聴美し、その雲居思遥けし。
— 北原白秋 『新頌』 青空文庫
吉備にして、また八年、高嶋の宮、大和はも遠しとよ、高千穂よ遥けしと。
— 北原白秋 『新頌』 青空文庫
而して無口な子が時時片|言交りに一つより知らぬ讃美歌の「夕日は隠れて路は遥けし。
— 與謝野寛、與謝野晶子 『巴里より』 青空文庫
朝牀に聴けば遥けし。
— 折口信夫 『叙景詩の発生』 青空文庫
「夕日はかくれて、道ははるけし……」とピアノは鳴りました。
— 牧野信一 『蛍』 青空文庫
船にしていまは夜明けつ小雨降りけぶれる崎の御熊野の見ゆ日の岬潮岬は過ぎぬれどなほはるけしや志摩の波切は雨雲の四方に垂りつつかき光りとろめる海にわが船は居る 勝浦の港に入る時は雨はなほ降つてゐた。
— 若山牧水 『熊野奈智山』 青空文庫
低くつゞきてきさらぎの寒き朝けに、若々し 人死にゆきて既に はるけし家向ひに低くつゞける松山の このさびしさを、思ひけらしも死にゆける命のはては 思へども、門田の墓に 香をたむくる新しき棺の上に 立てたりし目荒花籠に、とよむ風音朴の葉とりよろふ山の尾根より ひたくだりに、いちじるしもよ。
— 折口春洋 『鵠が音』 青空文庫