差し出し
さしだし
名詞
標準
文例 · 用例
これは真理だ」 そこへ、郵便配達夫が、封筒を叮嚀に差し出した。
— ――生きる為に―― 『山谿に生くる人々』 青空文庫
弱つて居りますんぢや」 私は、ポケットからバットを出して火をつけ、万福の父の前にその箱を差し出した。
— 葉山嘉樹 『万福追想』 青空文庫
彼は要求書を船長の前へ差し出した。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
ついにアフリカにはいって、三十七年間己れの生命をアフリカのために差し出し、始めのうちはおもに伝道をしておりました。
— 内村鑑三 『後世への最大遺物』 青空文庫
私は感謝していつでも六厘差し出します(大笑)。
— 内村鑑三 『後世への最大遺物』 青空文庫
私は自分の吸いかけの煙草を差し出した。
— 太宰治 『作家の手帖』 青空文庫
村長の藤田さんはお留守だったので、受附の娘さんに紙包を差し出し、「昨夜は、申しわけない事を致しました。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫
もう、お帰りになってよろしい」 私は将校のほうに走り寄って、そうして文庫本を差し出し、お礼を言おうと思ったが、言葉が出ず、黙って将校の顔を見上げ、二人の眼が合った時、私の眼からぽろぽろ涙が出た。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫