山椿
やまつばき異読 ヤマツバキ
名詞
標準
mountain camellia
文例 · 用例
其處には山椿の花片が、此のあたり水中の岩を飛び岩を飛び、胸毛の黄色な鶺鴒の雌鳥が含みこぼした口紅のやうに浮く。
— 泉鏡太郎 『雨ふり』 青空文庫
左に、腰元、木の芽峠の奥山椿、萌黄の紋付、文金の高髷に緋の乙女椿の花を挿す。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
二丈三丈、萌黄色に長く靡いて、房々と重って、その茂ったのが底まで澄んで、透通って、軟な細い葉に、ぱらぱらと露を丸く吸ったのが水の中に映るのですが――浮いて通るその緋色の山椿が……藻のそよぐのに引寄せられて、水の上を、少し斜に流れて来て、藻の上へすっと留まって、熟となる。
— 泉鏡花 『半島一奇抄』 青空文庫
…… 水は清く流れました、が、風が少し出ましてね、何となくざっと鳴ると、……まさか、そこへ――水を潜って遁げたのではありますまいが、宮裏の森の下の真暗な中に落重った山椿の花が、ざわざわと動いて、あとからあとから、乱れて、散って、浮いて来る。
— 泉鏡花 『半島一奇抄』 青空文庫
が、やがて傍の岩蔭に聳えたる山椿の大樹に眼を注けると、彼は忽ち猿のように其の梢にするすると攀登った。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
(三十八) 山椿の下では、お葉と重太郎との詩的な別離があった。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
そこらの枝や葉は散々に踏躪られて、紅い山椿の蕾が二三輪落ちていた。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
お葉が形見の山椿の枝を抱えて、一旦は其場から姿を隠したが、流石に遠くは立去らなかった。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
作例 · 標準
昔ながらの山住みの知恵が、現代でも役立っていることがある。
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