深讐
しんしゅう
名詞
標準
文例 · 用例
「八ヶ嶽山上窩人に対しては、深讐綿々|尽く期無けん、これ水狐族の遺訓たり」 こうそこには記されてある。
— 国枝史郎 『八ヶ嶽の魔神』 青空文庫
これほど立派な活路があるのに、それに今まで気が付かなかったとは……八ヶ嶽山上の窩人に対し水狐族が深讐とみなすからには、窩人の方でも水狐族を深讐と見ているに相違ない。
— 国枝史郎 『八ヶ嶽の魔神』 青空文庫
二人の視線ははたと合って、互に屹立したまま深讐仇敵のごとくに猛烈に睨み合った。
— モウリス・ルブラン 『水晶の栓』 青空文庫
しかし、夫の仇、倶に天を戴き得ない深讐綿々たる怨の敵……とは云え、繊弱い女の身として、一ツには我児の愛に惹かされて、今後あるいは身を殺して仇のために左右せられんともかぎらない。
— モウリス・ルブラン 『水晶の栓』 青空文庫
深讐の母娘 実業家石井馨之助の怪死は、関東新報の大特種で、翌る日の帝都を驚ろかしました。
— 野村胡堂 『悪魔の顔』 青空文庫
振袖を抱いて深讐の家へ 相生家の小者が多勢たかって、漸く鐘を引き倒したのは、かれこれ寅刻近くなってからでした。
— 第三夜 お化け若衆 『新奇談クラブ』 青空文庫
猛悪な形相の猫鮫、虎鮫が、血の気の失せた粘膜の、白い腹を見せて、通り魔の様にす早く眼界を横ぎり、時には深讐の目をいからせてガラス壁に突進し、それを食い破ろうとさえします。
— 江戸川乱歩 『パノラマ島綺譚』 青空文庫
一見子供らしい悪戯の裏に、もう一つの意味が、見かけとは似ても似つかぬ、深讐綿々たる妖鬼の呪が隠されていたのだ。
— 江戸川乱歩 『妖虫』 青空文庫