麦稈
ばっかん
名詞
標準
文例 · 用例
テムポ正しき散歩をなして麦稈真田を敬虔に編み――まるでこれでは、玩具の兵隊、まるでこれでは、毎日、日曜。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
盲縞の腹掛け、股引きに汚れたる白小倉の背広を着て、ゴムの解れたる深靴を穿き、鍔広なる麦稈帽子を阿弥陀に被りて、踏ん跨ぎたる膝の間に、茶褐色なる渦毛の犬の太くたくましきを容れて、その頭を撫でつつ、専念に書見したりしが、このとき鈴の音を聞くと斉しく身を起こして、ひらりと御者台に乗り移れり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
――近頃は、東京でも地方でも、まだ時季が早いのに、慌てもののせいか、それとも値段が安いためか、道中の晴の麦稈帽。
— 泉鏡花 『燈明之巻』 青空文庫
」 白髪の田螺は、麦稈帽の田螺に、ぼつりと分れる。
— 泉鏡花 『神鷺之巻』 青空文庫
」 と、冬の麦稈帽を被った、若いのが声を掛けた。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
」 と、冬の麦稈帽が出ようとする。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
麦稈は青いほのおをあげてめらめらと燃え、あとには黄色な麦粒の小山が残りました。
— 宮沢賢治 『ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記』 青空文庫
)いままではおまへたち尖ったパナマ帽や硬い麦稈のぞろぞろデックを歩く仲間と苹果を食ったり遺伝のはなしをしたりしたがいつまでもそんなお付き合ひはしてゐられない。
— 宮沢賢治 『『春と修羅』補遺』 青空文庫