頼み事
たのみごと
名詞
標準
文例 · 用例
田島はウイスキイを飲み、キヌ子のいくらでもいくらでも澄まして食べるのを、すこぶるいまいましい気持でながめながら、彼のいわゆる頼み事について語った。
— 太宰治 『グッド・バイ』 青空文庫
」「それじゃね、これから、いくらでも君に食べさせるから、ぼくの頼み事も聞いてくれ。
— 太宰治 『グッド・バイ』 青空文庫
老女はその頼み事をよく運ばせようとして、他の女房たちを皆早く寝させてしまい、計画を知らせてある人たちとともに油断なく時の来るのを待っていた。
— 総角 『源氏物語』 青空文庫
でこういう頼み事を、断るような野暮はしない。
— 国枝史郎 『大捕物仙人壺』 青空文庫
」「お大名様や、金持衆へ、奉公人を入れますのが、おおよその商売にございます」「では大名や金持共の、よくない頼み事も引き受けて、旗本ないし、貧民どもに、刃向かうようになろうではないか」「とんでもない儀にございます」 藤兵衛ピンと胸を反らせた。
— 国枝史郎 『二人町奴』 青空文庫
待兼ねたるは妻君よりも客の大原、早く我が頼み事を言出さんと思えども主人の小山|携え来れる大荷物を披くに忙しくて大原にまで手伝いを頼み「大原君、君もそっちの縄を釈いてくれ給え、僕は今度|到る処の名物を買い込んで来たよ。
— 春の巻 『食道楽』 青空文庫
あの、何だかよくは存じませんが、阿爺がね、大臣をしていましたころも、いろいろな頼み事をしていろいろ物を持って来ますの。
— 徳冨蘆花 『不如帰 小説』 青空文庫
…… さて次ぎの日、といったって昨夜の話だが、「巴里」の忘年会の席で、俺がトイレットへ立って行くと、王様が椰子の植木鉢の側で俺を待っていて、重大な頼み事があるから、午前三時五十分に鶴子の家の勝手口の扉の前まで来てくれという。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫