山宮
さんぐう
名詞
標準
文例 · 用例
白山宮の境内、大きな手水鉢のわきで、人ごみの中だったが、山の方から、颯と虫が来て頬へとまった。
— 泉鏡花 『燈明之巻』 青空文庫
この第三次の「新思潮」には山本、豊島、土屋文明、山宮允など云ふ人もは入つてゐた。
— 菊池寛 『世に出る前後』 青空文庫
そして山宮君か誰かの肝煎で、啓成社と云ふ本屋が、雑誌を出してくれたのである。
— 菊池寛 『世に出る前後』 青空文庫
(四)の三 この貴婦人こそ富山宮子にて、今日夫なる唯継と倶に田鶴見子爵に招れて、男同士のシャンペンなど酌交す間を、請うて庭内を遊覧せんとて出でしにぞありける。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
あげくの果は驪山宮という宏大もない宮殿の中に、金銀珠玉を鏤めた浴場を作って、玉のような温泉を引いて、貴妃ヤンと一緒に飛び込んで……お前とオーナラバ、ドコマデモオ……と来たね」「ウワア。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
Hさんの親戚の山宮さんといふ方が一週間前に亡くなられたのですが、はじめ中国から復員する船のなかで、ふと通路が分らなくなつたことがあるのです。
— 原民喜 『二つの死』 青空文庫
「その山宮泉は昔、芥川龍之介論で『歯車』のことを書いていて、人間の脳の襞を無数の蝨が喰ひ荒らしてゆく幻想をとりあげてゐるのだが……」と、Sは何か暗合のおそろしさをおもふやうな顔つきをした。
— 原民喜 『二つの死』 青空文庫
それからSと細君は明日S学園で行はれるその告別式の都合を話合つてゐたが、Sは明日都合つかないので細君に是非代理で出てくれと頼み、山宮泉には、友人も身内も少ないので一人でも沢山行つてやつた方がいいと云つてゐるのだつた。
— 原民喜 『二つの死』 青空文庫