風癲
ふうてん
名詞
標準
文例 · 用例
然し根が風癲(フーチヤン)だから、何かほかのことが頭を占めてる時は、金なんて忘れてるといつた塩梅だな」。
— 中原中也 『心理的と個性的』 青空文庫
こんどはどんな風癲をやらかしたかとおどろき、「や、また、なにをやった」 とたずねると、道長はこんな話をした。
— 久生十蘭 『うすゆき抄』 青空文庫
手前は生れつきの風癲でね、気がむきゃ、その日の風しだいで西にも行きゃあ東にも行く。
— 捨公方 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
そして附近の小さな村々からは、極く人里遠い、至つて暗い、森の中の村々からさへ、乞食や、びつこや、風癲者や、白痴やなどが拐杖につかまつて、ぞろ/\出て來た。
— PECHEURS D'ISLANDE 『氷島の漁夫』 青空文庫
走れよ、走れと申されし」(類諺集) この国に多すぎるものは、いびつな風癲者と佝僂。
— 高祖保 『希臘十字』 青空文庫
老大觀の歌ふのを見て、ひそかに、杯中に涙をたれた人もあるさうだが、分らない者は、ポカンとして、大觀が寢仆れたのを、風癲病でも見るやうにクス/\笑つてゐたといふ。
— 吉川英治 『折々の記』 青空文庫
しかし彼の風癲はおそらくほんとの狂人ではなかつたにちがひない。
— 吉川英治 『折々の記』 青空文庫