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舞台面

ぶたいめん
名詞
1
標準
文例 · 用例
去年見た新解釈「金色夜叉」の芝居で柳永二郎の富山がお宮の母と貫一の絶縁条件を値踏みしなが「二万円もやりぁいいでしょう」と云ったあの舞台面は多分ここをモデルにしたものらしいと思われた。
寺田寅彦 箱根熱海バス紀行 青空文庫
これは前にも云った通り、作物の舞台面に出ているものは所知者ばかりであり、所知者ばかりの世界はある意味で科学の世界であるからである。
寺田寅彦 文学の中の科学的要素 青空文庫
舞台は河沿いの空地に立っていて、周さんたちは船を河にとどめ、その船の中にいたままで、幻のような五彩の小さい舞台面を眺めるのである。
太宰治 惜別 青空文庫
病院に着いて、あの人と一緒に待合室へはいってみたら、ここはまた世の中と、まるっきりちがった風景で、ずっとまえ築地の小劇場で見た「どん底」という芝居の舞台面を、ふいと思い出しました。
太宰治 皮膚と心 青空文庫
がしかしその人間は役者の素質があるから、時期が来ればまたどこかの劇場の舞台面に、変った組合せであるにしろ現れることもあるのです。
岡本かの子 仏教人生読本 青空文庫
)その四(幻影が姿を消して仕舞ったあと、舞台面は現実感が一しお強められる。
岡本かの子 阿難と呪術師の娘 青空文庫
次におもしろいと思ったのは、舞台面の仮想的の床がずっと高くなり、天井がずっと低くなって天地が圧縮され、従って縮小された道具とその前に動く人形との尺度の比例がちょうど適当な比例になっているために、人形のほうが現実性を帯びるとともに人形使いのほうがかえって非現実的になってくるということである。
寺田寅彦 生ける人形 青空文庫
而して前には城ヶ島の緑が横たはり、通り矢とその間の五丁にも足らぬ海峡を小蒸汽が来、渡海船が通り、余多の漁舟が漕ぎつれて行く、而して遠くは煙霞の間に房州の山をのぞみ、欧洲航路の汽船軍艦はいつも煙を曳いてこの眺望の中を消えて行つたなど、全く明快な近代劇の舞台面であつた。
北原白秋 雲母集 青空文庫