遅遅
ちち
名詞
標準
文例 · 用例
帳場の上にかかった八角時計の針の遅遅として動いて往くのに注意したり、入口の青い帷を開けて入って来る客に注意したりした。
— 田中貢太郎 『水魔』 青空文庫
悪天の連続でどの田の進行も遅遅としている。
— ――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師) 『夜の靴』 青空文庫
二月三月日遅遅」を「とざまにゆき、かうざまに、くもはるばる。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
遊人嘔唖歌吹シ遅遅タル春日興ヲ追ヒ歓ヲ尽シテ、惟夕照ノ西ニ没シ鐘声ノ暮ヲ報ズルヲ恨ムノミ。
— 永井荷風 『上野』 青空文庫
当初は進歩遅遅たるの観あるべしといえども一たび児童の興味を喚起し自学自修の習慣にして養成せらるれば終極の進歩は刮目に値すべし。
— 佐野友三郎 『学校教育における図書館の利用』 青空文庫
この歌の左に、「春日遅遅として、正に啼く。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
そして、筆は遲遲として進まず、意を充たすやうな作は出來上らずに、徒にふえて行くのは苛苛と引き裂き捨てる原稿紙の屑ばかりであつた。
— 南部修太郎 『處女作の思ひ出』 青空文庫