町医
まちい
名詞
標準
文例 · 用例
のちには、その気の弱い町医者に無理矢理、証明書を書かせて、町の薬屋から直接に薬品を購入した。
— 太宰治 『東京八景』 青空文庫
大阪辺の町医村医は口だけは聞き覚えた東洞が唱道の「万病一毒」といふモツトーを喋舌るが、実技は在来の世間医だつた。
— 岡本かの子 『上田秋成の晩年』 青空文庫
今朝は体操が終ると、町医から流行病の予防の注意がありまして解散となりました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
圧されて商売にならず、町医院に雇われたがれいの変な上着を脱ごうとしないのがけしからぬとすぐ暇をだされて、百貨店の雑役夫もしてみた。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
樽崎という京の町医者の娘だったが、樽崎の死後路頭に迷っていたのを世話をした人に連れられて風呂敷包みに五合の米入れてやった時、年はときけば、はい十二どすと答えた声がびっくりするほど美しかった。
— 織田作之助 『螢』 青空文庫
一時は円タクに圧されてしまって、流しの俥夫も商売にならず、町医者に雇われたが、変な上着を脱ごうとしないのがけしからぬと、間もなく暇を出されて、百貨店の雑役夫をしたこともある。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
金光教に凝って、お水をいただいたりしているうちに、衰弱がはげしくて、寝付いた時はもう助からぬ状態だと町医者は診た。
— 織田作之助 『夫婦善哉』 青空文庫
病院をやめるとたちまち暮しに困つたので、やはり学校の紹介で豊中の町医者へ代診に雇はれた。
— 織田作之助 『六白金星』 青空文庫