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名詞
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標準
文例 · 用例
きに麦藁を焚いてパチパチ音がする。
伊藤左千夫 野菊の墓 青空文庫
例へば冬の寒夜に、隣家で鳴らす飯の鍋の音。
萩原朔太郎 冬の情緒 青空文庫
建物の背後の、ブランコのある所を見たいと思つて建物の横を廻りかけたが、何しろ休暇中だし、朝の五時半であつたし、小使の女房か女学部の舎監であつたか知らないが、事場の小窓から一寸顔をのぞけて、ケゲンさうにこちらを見たから、諦めてコソコソと引返した。
中原中也 金沢の思ひ出 青空文庫
)わが家へと入りてみれば  なごやかにうちまじりつつ秋の日の夕陽の丘か煙か    われを暈めかすもののあり            古き代の富みし館の          カドリール ゆらゆるスカーツ          カドリール ゆらゆるスカーツ      何時の日か絶えんとはする カドリール!
中原中也 山羊の歌 青空文庫
同じ思いが、仲間の顔色に読まれる、飯をくのに、未だ時間がある、思い切って天幕から一、二間歩き出した、岩を二ツ三ツ飛び越えて、次第に爪先が上る、無辺無限の単調の線が、どこへ繋がって、どこへ懸っているのか、解らない……やはりあの空線の一つを辿っている。
小島烏水 白峰山脈縦断記 青空文庫
朝飯がけると、嘉代吉はお初穂を取って押しいただいた、山の神さまへ捧げるのだという、私も人夫も、それを四、五粒ずつ分けてもらって、同じように押し頂いて喰べた、奥穂高はと見ると、もういつの間にか、霧がかかった、きょうもまた雨の糸で縫いこめられる象徴のように。
小島烏水 谷より峰へ峰より谷へ 青空文庫
三 朝霧が山村を罩めて、鶏の声が、霧の底から聞える、黄色い南瓜の花に、まだ夢が残つてゐるかして、寝惚けた姿をしだらなく大地に投げ出してゐる、ぼツと白壁が明るくなる、森がうつすらと、烟つぽい緑を、向うの山の懐に、だんだら、染めに浮かせる、起き上つて支度をする頃は、方々の家から、軽い煙が立ちはじめた。
小島烏水 天竜川 青空文庫
いぎたなく眠れる善作を揺り起して、事を命じ、自分一人寒気に慄えながら小舎の前の石峰に立た。
小島烏水 奥常念岳の絶巓に立つ記 青空文庫