尨毛
むくげ
名詞
標準
文例 · 用例
その犬の狐色の尨毛や、鼻頭の斑点などが、細君の目にも見覚えがあった。
— 徳田秋声 『爛』 青空文庫
二人の後から尨毛のアデリと脚のひょろ長いポプリが、くんくん言いながら駈けこんだ。
— または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊 『死せる魂』 青空文庫
それは森の大入道の尨毛の頭に生えた髪の毛だ。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 後篇』 青空文庫
大変ものやわらかに、品のいいような快さを感じるとともに、年に似合わない単純さに、罪のない愛情を感じて、尨毛だらけの耳朶を眺めながら自ずと微笑まれるような心持になるのである。
— 宮本百合子 『禰宜様宮田』 青空文庫
彼女は眼を涙でいっぱいにして、画家の尨毛の頭に見入っている。
— ТАЛАНТ 『天才』 青空文庫
エゴール・サヴィチは醜悪なほど、獣めいているほど、尨毛である。
— ТАЛАНТ 『天才』 青空文庫
最初に彼の目にとまったのは、彼が自分だけで「尨毛の猟犬」と仇名を与えている二面の主任のKさんであった。
— 相馬泰三 『六月』 青空文庫