遺忘
いぼう
名詞
標準
文例 · 用例
近き頃、彼ポムペイの古市と同じく、闇黒の裡より出でゝ人の遺忘を喚び醒したるものは、此祠と穀神祠となり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
唯二三の注意に値する件々を左に記して遺忘に備へて置く。
— 森鴎外 『壽阿彌の手紙』 青空文庫
鈴木春浦さんが小説の種にもと云って貸してくれた本を、遺忘のために手抄して置いたのである。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
こんな作に考証も事々しいが、他日の遺忘のためにただこれだけの事を書き留めておく。
— 森鴎外 『興津弥五右衛門の遺書(初稿)』 青空文庫
然れども※し夫れ、彼にありて極めて高潔、極めて荘重なる事業と認むべき者あらば、吾人は邦と邦との隔離を遺忘するに躊躇せざるなり。
— 北村透谷 『一種の攘夷思想』 青空文庫
的等恐其世遠遺忘無所考證。
— 桑原隲藏 『創建清眞寺碑』 青空文庫
因ツテ手ヅカラ紅白ノ帛ヲ剪リ、コレヲ襟ニ結ビ以テ遺忘ニ備フ。
— 永井荷風 『下谷叢話』 青空文庫
また宇陀の墨坂八の神に、赤色の楯矛を祭り九、また大坂の神一〇に、墨色の楯矛を祭り、また坂の御尾の神、河の瀬の神までに、悉に遺忘ることなく幣帛まつりたまひき。
— 校註 古事記 『古事記』 青空文庫