捨児
捨児
名詞
標準
文例 · 用例
無論、「捨児」「南京の基督」「妖婆」「影」「妙な話」「奇怪な再会」の如き作品に到つては、氏の怪奇に対する悪趣味に出発した、露骨過ぎる拵へものである。
— ――全人間的な体現を――(その一、芥川龍之介氏) 『現代作家に対する批判と要求』 青空文庫
母様もまた傍からまあ捨児にしては可哀想でないかツて、お聞きなすつたら、ぢいさんにや/\と笑つたさうで、トさういつてかさね/″\恩を謝して分れて何処へか行つちまひましたツて。
— 泉鏡花 『化鳥』 青空文庫
なお水菓子が好きだと云う、三歳になる男の児の有ることを、前の条にちょっと言ったが、これは特に断って置く必要がある、捨児である。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
(芭蕉が大井川のほとりで秋風の捨児に与へたと同一の語句だ)夕飯も茶漬でぼそ/\だつた。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
なれどコイツは捨児と違うて。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
博士は捨児だったんだ。
— ――金博士シリーズ・1―― 『のろのろ砲弾の驚異』 青空文庫
それはお前の心の迷いだ」「……私は捨児でございましたそうで?
— 国枝史郎 『郷介法師』 青空文庫
じつと目を閉ぢようと為たが、目を閉ぢると、此の広い荒れ果てた寺に唯つた独り自分の居ると云ふ事が、野の中で捨児にでも成つた様に、犇々と身に迫つて寂しい。
— 與謝野寛 『蓬生』 青空文庫