積み下ろし
つみおろし
名詞
標準
文例 · 用例
はるか向こうを見ると山から木材や薪炭を積みおろして来た馬橇がちらほらと動いていて、馬の首につけられた鈴の音がさえた響きをたててかすかに聞こえて来る。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
吃驚りしてカーテンの下から覗くと、トラツクから肥桶を積みおろしてゐる紫紺の海水着を一着におよんだ、飴色セルロイドぶちの、ロイド眼鏡をかけた近郊の兄ちやんが、いまや颯爽と肥桶運搬トラツクに跳び乘り、はんどるを握つて、も一度「わ、すう、れえ、ちやあ、いやあ、よ――」 と、奇聲をあげる瞬間だつた。
— 長谷川時雨 『夏の夜』 青空文庫
着物はすつかり取りかへてあるが、あのボックス・コートの柱のそばに立つてゐた男で、自分の鞄を手傳つて馬車に積みおろしをしてくれた者だといふ事が分つた。
— ロバート・ルイス・スティーヴンソン 『醫師と旅行鞄の話』 青空文庫
ある時、御岳道者が、この与八のおっくうな積みおろしを見て感心して、「ちょうど、丸山教の御開山様のようだ」と言いました。
— みちりやの巻 『大菩薩峠』 青空文庫
いずれも濡れ米だが、乾立てたら、一人宛に三石ずつもある勘定で、これこそは命の法楽と、雀躍りして喜び、とりあえず浜へ積みおろし、そこから岩穴の口に運んだ。
— 久生十蘭 『藤九郎の島』 青空文庫
それは沖で貝を積むときや、工場へ戻って積みおろしをするときなどでよくわかっていた。
— 山本周五郎 『青べか物語』 青空文庫
たんに荷物の積みおろしのべんりだけからならば、農村では木で作ったいろいろの背負い道具などは必要がなかったはずで、むしろ今までのように荷繩だけでかるうほうが、分量も多く、またなんでも、背負うことができるのであった。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫
大学生が土木工事の土を運んだり、物を積み卸ししているのである。
— 清澤洌 『暗黒日記』 青空文庫