霊光
れいこう
名詞
標準
文例 · 用例
わが朝は仏縁深重の地とあって、伊勢ノ国阿漕ヶ浦に流れ寄り、夜な夜な発する霊光。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
未だ四十という年にもならんで、御存じの通り、私は、色気もなく、慾気もなく、見得もなく、およそ出世間的に超然として、何か、未来の霊光を認めておるような男であったのを御存じでしょう。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
なかなか以て、未来の霊光ではなく、貴女のその美しいお姿じゃった。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
」と、あたかも死を賭にしたこの難境は、将来のその楽のために造られた階梯であるように考えるらしく、絶望した窮厄の中に縷々として一脈の霊光を認めたごとく、嬉しげに且つ快げにいって莞爾とした。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
金の千成瓢箪に又一ツ大きな瓢箪が添わるものだろうか、それとも北条氏|三鱗の旗が霊光を放つことであろうか、猿面冠者の軍略兵気が真実其実力で天下を取るべきものか。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
勿論恋愛というものは桂馬という将棋の駒が如何なる他の駒の威厳をも無視して働くように幽奇神奇の働をするものだから、恋愛に憑かれた者は随分俗物でも貧富位は容易に突破超越してしまうのであり、貧乏即不幸福などいう妄見はその霊光によって照破してしまうのである。
— 幸田露伴 『貧富幸不幸』 青空文庫
「こんなわけで、ウ※ルターは、今もつて、つひにどこからも一片の表彰をされたこともなく、この先も永久に、一人のかくれた偉人としてをはるわけですが、彼のこの絶大な勇気と、このりんぜんたる愛国的奉仕とは、いつ/\までも神と人間との前に、無限の霊光をはなつものでなければなりません。
— 鈴木三重吉 『勇士ウ※ルター(実話)』 青空文庫
一度其|赫灼たる霊光の人の胸中に宿るや嬋妍たる柳眉玉頬の佳人をして、猶|且つ這般天馬空を行くの壮事あらしむる也。
— 石川啄木 『閑天地』 青空文庫