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聞き逃し

ききのがし
名詞
1
標準
文例 · 用例
その時間まで本でも讀まうと思つたがさうしてゐると、もしかん子が手紙を自身で渡さうとして出て來るなら彼女の足音を聞き逃しさうに思はれたので、それも出來なかつた。
横光利一 悲しみの代價 青空文庫
」 音が高い――自分の口をあわてて自分の左の手で抑えて、「風邪をひいちゃった――だが聞き逃しのできねえ話をきかされちゃったぜ――畜生、どうしやがるか」 こう言って、いまいましそうに、御用提灯のあとを見送っていました。
勿来の巻 大菩薩峠 青空文庫
そこには私の堪へきれぬ最大の意味が含まれてゐたのでしたが、それを激して語る術もなかつたので、女は恐らく最も屡々聞きなれた言葉の真意を聞き逃してしまつたらうと思はれます。
坂口安吾 女占師の前にて 青空文庫
この侮辱まで聞き逃して一言の報讐すらも加えなかつた自分があまり惨めに見えて苛立たしいのだ。
――夢と知性―― 吹雪物語 青空文庫
」「何んにもありませんが――八王子で集めた二百兩の金は、小粒と小判を取りまぜて、物騷だからと言つて、帳場へ預けたさうです」「用心深いな、尤も叶屋の番頭は、金之助のことを、顏見知りと言つたやうだな」 平次は報告の片言|隻句も聞き逃しませんでした。
鬼女 錢形平次捕物控 青空文庫
つまらねえ侠客というのは、みんな、派手なものさ」 そのときは、なにげなく聞き逃していた。
火野葦平 花と龍 青空文庫
それをお神は三畳から見たんだ、――お新へ陽が当った――と言ったのを、皆んな聞き逃しているんだ」「なアる」「竹は油障子を開けて、女が石榴口から入るところを、拳下がりに短刀を飛ばし、女が浴槽に落込むのを見定めて油障子を締め、悠々と降りた。
血潮の浴槽 銭形平次捕物控 青空文庫
聞き逃したと言った。
The Weight of the Crown 王冠の重み 青空文庫