竿竹
さおだけ
名詞
標準
文例 · 用例
「ええ竿竹や竿竹」というのをひと月ほど前に聞いたのは珍しかった。
— 寺田寅彦 『物売りの声』 青空文庫
町を呼んで通る竿竹賣の聲がするのも、この季節にふさはしい。
— 島崎藤村 『短夜の頃』 青空文庫
町を呼んで通り過ぎる花屋の聲のすゞしさ、寒紅賣のやさしさ、竿竹賣のおもしろさ。
— 島崎藤村 『桃の雫』 青空文庫
波二さんも、気をつけてネ……」 少年は、高いところに点いている電灯の電球を、ねじって消すために、長い竿竹の尖端を、五つほどに割って、繃帯で止めてある長道具を担ぐと、急いで駈け出していった。
— 海野十三 『空襲葬送曲』 青空文庫
空襲警報ですよォ」 竿竹と、メガフォンと、赤い布を捲きつけた懐中電灯とで固めた一隊が、町の辻々を、練りまわった。
— 海野十三 『空襲葬送曲』 青空文庫
7 大利根博士は、竿竹のようにほそい体をいろいろに曲げては、飴細工のように曲ったり溶けたりしている軍艦淡路の艦体をいちいちていねいに見てまわりました。
— 海野十三 『怪塔王』 青空文庫
まだ云って来ないネ」 少年団の天幕の中に、消灯用の竿竹を握っている少年が云った。
— 海野十三 『空襲下の日本』 青空文庫
ふしやうぶしやうに、庭に下りて、外れし戸をやうやくに建て合はせ、竿竹にてともかくも支へ来り、上りかけにわざと強く夫の足に突当たれば、 アイタアイタ痛てえや、何をするんだ。
— 清水紫琴 『磯馴松』 青空文庫