縮れ髪
ちぢれがみ
名詞
標準
文例 · 用例
さももったいらしくほとんど眉ぎわよりはえだした濃い縮れ髪を撫でて、鷹揚にあたりを四顧して、さてまたソッと帽子をかぶッて、大切な頭をかくしてしまった。
— イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 『あいびき』 青空文庫
日本人には珍らしい、若い時はさぞ秀麗だったろうと思える、禿げ上った頭のそこらに、真っ白い縮れ髪がもじゃもじゃして鼻の太くて高い威風堂々とした朱面の持主である。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
帰宅後妻君がいかに思いの色を見せても構い付けずこの夫人は幾歳だったか書いていないが、その時氏輝の同母兄|氏政が三十三だから氏輝は三十歳ばかり、したがって夫人も二十七、八、縮れ髪たっぷりの年増盛りだったでしょう。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
神経性の痙攣が下唇の端をぴくぴくと引っ攣らせ、くしゃくしゃになった縮れ髪が、まるで鬣のように額に垂れかかっている。
— КРАСНЫЙ ЦВЕТОК 『紅い花』 青空文庫
くるくると巻いてやんわり垂れてる薄赤いやつが、殆んど皮膚と地並な白い産毛に包まれて、赤味がかった細かい縮れ髪の中で、宛も海藻の中に浮いている、小さな水母のように見えたり、生きた貝殼のように見えたりした。
— 豊島与志雄 『人の国』 青空文庫
」とラエーフスキイは、動物学者に近寄って、憎悪の眸をその浅黒い額や縮れ髪に注ぎながら、小声でいった、「挑戦?
— ДУЭЛЬ 『決闘』 青空文庫
彼は浅黒い額や縮れ髪に対する昨日の自分の憎念を思い出して、たとえ昨日あの烈しい憎悪と忿怒の最中でも、自分にはとても人間は射てなかったろうと思った。
— ДУЭЛЬ 『決闘』 青空文庫
はいって来たのは小間使とはいいながら、軽妙な敏捷さなぞの少しもない、どこか鈍重とも評したいほど田舎染みて、口の重そうな縮れ髪の女であった。
— 橘外男 『グリュックスブルグ王室異聞』 青空文庫