蛄
蛄
名詞
標準
文例 · 用例
懐中から本を出して、蝋光高懸照紗空、 花房夜搗紅守宮、象口吹香暖、 七星挂城聞漏板、寒入罘※殿影昏、 彩鸞簾額著霜痕、 ええ、何んでも此処は、蛄が鉤闌の下に月に鳴く、魏の文帝に寵せられた甄夫人が、後におとろえて幽閉されたと言うので、鎖阿甄。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
また、死といえば蟻、螻蛄、羽虫になっても縷々と転生してしまう暢気極まる死です。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
「お前のその蝦蛄の乾もののようになった、両手の指を、交る交る這って舐めろと言え。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
真ばっかりなら、蝦蛄だって大好きなんだ。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
……それが可厭なら蝦蛄の天麩羅。
— 泉鏡太郎 『大阪まで』 青空文庫
洗へ妻、蝦蛄のひと籠、吹く風は緑に煙り、「時」はよし、照り移るなり。
— 北原白秋 『海豹と雲』 青空文庫
あのよろし蟹よ蝦蛄よ、それよこれよ、そをめせ、かくめせとあはれ、中つつき、殻ほじりあはれ。
— 北原白秋 『夢殿』 青空文庫
その和子はかくなる歳を、老いづくを、蟹や蝦蛄さもこそあらめど、身の老の、その海老腰の、おのれ知らずて。
— 北原白秋 『夢殿』 青空文庫