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畳々

畳々
名詞
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標準
文例 · 用例
バチルスを発見すると否とはさまで吾人の人生に関与する所なしと雖ども、要するに、問題と秘密とは、図書館の中にあらず、浩蕩の天際に存せずして、却つて吾人の日常生活の間に畳々として現在せり。
石川啄木 閑天地 青空文庫
隈なき月の光りで青海原のやうに畳々とした畑の中を奴等はスイスイと、恰で氷滑りでもしてゐる見たいに速やかに走つてゐた。
牧野信一 バラルダ物語 青空文庫
森の上にあがつた円い月が、畳々たる田畑の青海原に隈なき光りの翼を伸べひろげて濛々と涯しなく霞んでゐました。
牧野信一 女優 青空文庫
万畳の青山彷わんも誰が一人ぞわれを迎えん翼ある鶴とならば君が許にも飛ばんに山は畳々千峯をなし水は滄波万頃なり「兎に角あれはこのX市のイスラム教徒達にはなくてならぬ男だよ。
金史良 親方コブセ 青空文庫
畳々と重なりすくすくと聳えた山という山は皆白く、峰という峰も白皚々と空の蒼さに溶けもせず静寂の谷間を見守っている。
国枝史郎 蔦葛木曽棧 青空文庫
だから「建たなかった城のあと」で、畳々たる石垣と地下室と隧道が草にうずもれ、|大きな松、|小さな松――青苔で足が滑る。
白夜幻想曲 踊る地平線 青空文庫
北方一帯はヒマラヤ連山をもって囲繞し、畳々綿々、一峰は一峰より高く、一山は一山より大にして、天が狭いといわんばかりの勢いなり。
井上円了 西航日録 青空文庫
しかしその折にはまだ裏手の通用門から拝観の手続きをなすべき案内をも知らなかったので、自分は秋の夜の静寂の中に畳々として波の如く次第に奥深く重なって行くその屋根と、海のように平かな敷地の片隅に立ち並ぶ石燈籠の影をば、廻らされた柵の間から恐る恐る覗いたばかりであった。
永井荷風 霊廟 青空文庫