薩長土
さっちょうど
名詞
標準
文例 · 用例
それから藤原氏三代百余年間の平泉の栄華があり、文治五年、源頼朝に依つて奥州は平定せられ、もうその頃から、私たちの教科書はいよいよ東北地方から遠ざかり、明治維新にも奥州諸藩は、ただちよつと立つて裾をはたいて坐り直したといふだけの形で、薩長土の各藩に於けるが如き積極性は認められない。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
「薩長土が、なんじゃ、皆幼帝をさしはさんで、己れ天下の権を取り、あわよくば徳川に代ろうという腹ではないか、虎の威を借りて、私欲を欲しいままにしようという狐どもじゃ。
— 菊池寛 『仇討禁止令』 青空文庫
鳥羽伏見には敗れたが、あれはいわば不意に仕掛けられた戦いじゃ、将軍家が江戸へ御帰城の上、改めて天下の兵を募られたら、薩長土など一溜りもあるものではない。
— 菊池寛 『仇討禁止令』 青空文庫
そういう言い分は、薩長土などが私利を計るときに使う言葉じゃ。
— 菊池寛 『仇討禁止令』 青空文庫
維新後、天下の大勢を牛耳って、新政府の政治と、新興日本の利権とを併せて壟断しようと試みた者は、所謂、薩長土肥の藩閥諸公であった。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
その藩閥政治の弊害を打破るべく今の議会政治が提唱され初めたものであるが、そもそもその薩長土肥の諸藩士が、王政維新、倒幕の時運に参劃し、天下の形勢を定めた中に、九州の大藩筑前の黒田藩ばかりが何故に除外されて来たのか。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
そんな連中は有為果敢の材を抱きながら官途に就く事が出来ず鬱勃たる壮志を抱いたまま明治政府を掌握している薩長土肥の横暴振り、名利の争奪振りを横目に睨んでいた。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
また万一吾々が成功して天下を執る段になっても、吾々が今の薩長土肥のような醜い政権利権の奴隷になるかならぬかという事は、ほかならぬ貴公達に監視してもらわねばならぬ。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫