豆煎り
まめいり
名詞
標準
文例 · 用例
牡丹屋では亭主の孫にあたるちいさな女の子のために初節句を祝うと言って、その雪の中で、白酒だ豆煎りだと女中までが大騒ぎだ。
— 第一部上 『夜明け前』 青空文庫
そこで常の詩文会では出席生徒が順番にその宅から持寄りにする豆煎りを食うのみであるが、忘年会の詩会では、いり豆の外に獣肉の汁をこしらえて飯を食うことになっていた。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
――男と女と豆煎り、煎つても煎つても煎りきれない……(笑声)可笑しくはありません。
— 岸田國士 『ママ先生とその夫』 青空文庫
信一と姉の光子は雛段の前に臥そべりながら、豆炒りを喰べて居たが、二人が這入って来ると急にくす/\笑い出した様子が、何か又|怪しからぬ徒らを企んで居るらしいので、「坊ちゃん、何か可笑しいことがあるんですか」と、仙吉は不安らしく姉弟の顔を眺めて居る。
— 谷崎潤一郎 『少年』 青空文庫
四人は圓くなって、豆炒りを肴に白酒を飲み始めた。
— 谷崎潤一郎 『少年』 青空文庫
江戸で関のおば様に豆炒りを上げるようになった頃から、市内の寺にも数十箇所の木像の婆様が出来、今でもまだそちこちで盆にはお詣りをする者があります。
— 柳田國男 『日本の伝説』 青空文庫
豆炒り朔日(五月朔日) 五月はおも月または神祭月といって、特に重要視せられる月なるにもかかわらず、その朔日を記念する行事が少ない。
— 柳田国男 『年中行事覚書』 青空文庫
鳥取付近の農村では、五月一日を豆炒り朔日と呼び、豆を炒って神に供えるそうだが、その趣旨もまだ明瞭でない。
— 柳田国男 『年中行事覚書』 青空文庫