帰趣
帰趣
名詞
標準
文例 · 用例
今のところ私は、すべての世人が科学系統の真美を理解して、そこに人生究極の帰趣を認めなければならないのだと信ずるほどに徹底した科学者になり得ない不幸な懐疑者である。
— 寺田寅彦 『相対性原理側面観』 青空文庫
「トルストイは人生の帰趣を決めてしまおうとした。
— 寺田寅彦 『亮の追憶』 青空文庫
意気の俊邁なるに至っては、互に相遜らずと雖も、正学先生の詩は竟に是れ正学先生の詩にして、其の帰趣を考うるに、毎に正々堂々の大道に合せんことを欲し、絶えて欹側詭※の言を為さず、放逸曠達の態無し。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
しかし僕はもうずっと先きの方まで読んでいますが、この脚本の全体の帰趣というようなものには、どうも同情が出来ないのです。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
無限に対する人生の帰趣。
— 島崎藤村 『桜の実の熟する時』 青空文庫
人生の帰趣とか目的とかいうものが果してあるのだろう乎。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
この武士道によつて、現代日本の思潮に帰趣を知らしめる事が出来るならば、それは、独り日本の精神的文明に貢献する所があるばかりではない。
— 芥川龍之介 『手巾』 青空文庫
されど同座より帰途、予がふと予の殺人の動機に想到するや、予は殆帰趣を失ひたるかの感に打たれたり。
— 芥川龍之介 『開化の殺人』 青空文庫