神跡
しんせき
名詞
標準
文例 · 用例
笈埃随筆では「この地は神跡だから仏具を忌むので、それで鉦や鈴は響かぬ」という説に対し、そんなばかな事はないと抗弁し「それならば念仏や題目を唱えても反響しないはずだのに、反響するではないか」などという議論があり、結局|五行説か何かへ持って行って無理に故事つけているところがおもしろい。
— 寺田寅彦 『化け物の進化』 青空文庫
わがミカドはわれらの精神の上に鎮座す、赫々とした葦を、銀のやうな霧を、いたるところに神跡あり、そこに供物す、暁には厳として火焔はのぼる、その日射のもとに我等の拠る城を輝かせよ。
— 詩集(1)初期詩篇 『小熊秀雄全集-2』 青空文庫
その遺跡は明神跡と呼ばれて、小さい社殿の土台石などは昔ながらに残っていたが、さすがに誰も手をつける者もなかった。
— 岡本綺堂 『こま犬』 青空文庫
なんでもかの明神跡らしいあたりで不思議な啼声がきこえる。
— 岡本綺堂 『こま犬』 青空文庫
それは明神跡を中心として、西に聞えるかと思うと、また東に聞えることもある。
— 岡本綺堂 『こま犬』 青空文庫
あるいは世間の評判が高いので、明神跡でも窺いに来たのかとも思われるが、それならば若い女がただひとりで来そうもない。
— 岡本綺堂 『こま犬』 青空文庫
そんなことをいろいろに考えながら、さらに林の奥ふかく進んで行くと、明神跡は昔よりもいっそう荒れ果てて、このごろの夏草がかなりに高く乱れているので、僕にはもう確かな見当も付かなくなってしまった。
— 岡本綺堂 『こま犬』 青空文庫
明神跡もひどく荒れましたね。
— 岡本綺堂 『こま犬』 青空文庫