その一方
そのいっぽう
表現
標準
meanwhile
文例 · 用例
それ故、古くは複合語においてのみならず、連語においてさえ、母音の直前に他の母音が来る場合には、その一方を省いてしまう傾向があったのである。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
例えば「キ」にあたる万葉仮名が二類にわかれており、その各類はそれぞれ違った音を表わしておったものと思われますが、その一方の音は今日と同じ「キ」の音だと思われます。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
しかもその一方の紳士は、自己の半身であるところのルンペンを憎惡し、不潔な動物のやうに嫌厭してゐる。
— 萩原朔太郎 『酒に就いて』 青空文庫
)「悲歌」においては、生の肯定と死の肯定とが一つのものとなつて表示されてをります、その一方のもののみを他方のものなしに認めることは、我々がいま此處でそれを明らかにするやうに、すべての無限なるものを遂に閉め出してしまふやうな限界を設けることであります。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『ドゥイノ悲歌』 青空文庫
ウツボグサの紫花の四本の雄蕊は尖端が二た叉になっていて、その一方の叉には葯があるのに他の一方はそれがなくて尖ったままで反り曲っている。
— 寺田寅彦 『高原』 青空文庫
しかもその一方は理想の光に輝かされ、もう一方は暗黒の絶望を背負っていた。
— 梶井基次郎 『筧の話』 青空文庫
平田森三君が熱したガラス板をその一方の縁から徐々に垂直に水中へ沈めて行くとこれによく似た模様が現われると言っている。
— 寺田寅彦 『物理学圏外の物理的現象』 青空文庫
その一方ではまた、自分の田舎では人間の食うものと思われていない蝗の佃煮をうまそうに食っている江戸っ子の児童もあって、これにもまたちがった意味での驚異の目を見張ったのであった。
— 寺田寅彦 『コーヒー哲学序説』 青空文庫
標準
in contrast