一望
いちぼう
名詞動詞-サ変動詞-他動詞頻度ランク #19843 · 青空 345 例
標準
one sweep (of the eye)
文例 · 用例
一望千里の滿洲の赤土の原、あかあかと夕燒にてらされ、ひとり馬で歩いて居る猫背の乃木將軍のすがたが、この眼に見えるのだ。
— 太宰治 『人物に就いて』 青空文庫
今度は私の一望の下に、余儀ないところで中断されていた彼らの求愛が encore されるのである。
— 梶井基次郎 『交尾』 青空文庫
石浜神社は小社なれどもその古きをもて知られ、真先稲荷は社前に隅田川を控て、遥に上は水神の森鐘が淵のあたりより下は長堤十里白くして痕なき花の名所の向島を一望の中に収むるをもて名あり。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
そうしてこの頃では芸術とか非芸術とか言ったような相対的な批判区域までも一気に駈け抜けて、一望漠々たる砂漠を息のあらん限り走っては倒れ、倒れてはよろめき走りしているように見える。
— 夢野久作 『実さんの精神分析』 青空文庫
筆硯の妨げらるるを悪んで窓を開きみれば、一望月光裡にあり。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
荒寥たる地方での會話「くづれた廢墟の廊柱と、そして一望の禿山の外、ここには何も見るべきものがない。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
館全體の構造は、今の國技館などのやうに圓形になつて居るので、中心の望樓に立つて眺望すれば、四方の全景が一望の下に入るわけである。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
湖に面した廣縁に置かれた籐椅子によつて眺めると、昨日は水の面をはつて一望をたゞ有耶無耶の中に埋めた霧が、今朝はあとも無く晴れて、大湖を繞る遠い山々の胸や腰のあたりに白雲が搖曳してゐるばかりで、男體山は右手の前面に湖岸から直ちに四千尺の高さをもつて美しい傾斜で、翠色|滴るばかりに聳え立つてゐる。
— 幸田露伴 『華嚴瀧』 青空文庫
作例 · 標準
例句1
例句2
例句3
例句4