蝗
ばった
名詞
標準
文例 · 用例
蝗のおそろしい群のやうに光にうづまき くるめき 押しあひ死にあふ小蟲の群團。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
空が曇つたら、蝗螽の瞳が、砂土の中に覗くだらう。
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
その日は昼食を食つてから、私たち親子三人は、私と息子は釣りをする為に、娘は蝗を捕るために、家を出たのだつた。
— 葉山嘉樹 『氷雨』 青空文庫
その日の釣り兼蝗取りも、その催しの一つだつた。
— 葉山嘉樹 『氷雨』 青空文庫
魚釣りも、蝗取りも、米櫃の空なことを忘れさせなかつたのだ。
— 葉山嘉樹 『氷雨』 青空文庫
蝗、蛭、蛙、蜥蜴の如きは、最も喜びて食する物とす。
— 泉鏡太郎 『蛇くひ』 青空文庫
雲霞のような蝗虫の発生があった。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
怖々、手を近づけて行くと、蝗はそろ/\葉裏へ移り廻って行き、わたくしが思い切って眼をつぶって葉を握ると、露が冷たく掌に握られて蝗は樋の水に斜に落ち込んだまゝ、ぐい/\水に流されて行きます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫