幻辞.com

隠場

いんじょう
名詞
1
標準
文例 · 用例
」「怪しからん、」 と笑って、気競って、「誰も山賊の棲家だとも、万引の隠場所だとも言わないのに、貴下が聞違えたんではありませんか。
泉鏡花 星女郎 青空文庫
小判の隠場ア此処と眼をつけたんだからなア。
国枝史郎 甲州鎮撫隊 青空文庫
併し其辺には彼の意に適った思わしい隠場所も無かったので、命令を諾かない二本の脚を、無理に引擦って復た歩き出した。
国枝史郎 人間製造 青空文庫
もし岩見が何か不正な事をして、盗んだ品を何処かに隠しているとしたら、彼が窃盗の嫌疑で捕われ再び放された時に、その隠場所へ心配して見には行かないでしょうか。
甲賀三郎 琥珀のパイプ 青空文庫
こういう騒ぎになりますと、この家だけが唯一無二の隠場
久生十蘭 魔都 青空文庫
殆そのまゝ所持致をり候事故、当山の御厄介に相なり候に付いては、またもやその隠場所に困りをり候処、唯今にても当寺|表惣門の旁に立ちをり候|榎の大木に目をつけ、夜中攀上り、幹の穴に隠し置き申候。
永井荷風 榎物語 青空文庫
当村はその時分|小普請組御支配|綱島右京様御領分にて有之候間、寺男慶蔵は伝馬町御牢屋へ送られ、北の御奉行所御掛りにて、厳しく御吟味に相なり候処、慶蔵事十余年前|麹町辺通行の折拾ひ候処|隠場所にこまり当山満行寺へ住込み候を幸、大木へ上り隠し置き候|旨申立て候由。
永井荷風 榎物語 青空文庫
平たい巌のことをバンと云ふらしいが、そのバンが深い洞窟となつてゐる箇処があつて、其処が大きな鯉群の隠場処だといふ話も聞いた。
齋藤茂吉 青空文庫