打音
うちうとぅ
名詞
標準
文例 · 用例
舞台と仮面、仮面と打音楽器は、切っても切れぬ芸術的因縁を以て、一如に結び付いているものである。
— 夢野久作 『能とは何か』 青空文庫
尚、前述の太鼓、大鼓、小鼓の三種は能楽演出のリズムを、打音の間拍子で囃すのであるが、そのリズムに対するタッチは全然能楽一流の行き方である。
— 夢野久作 『能とは何か』 青空文庫
しかし謡から離れて笛ばかりで舞台気分を作る時は、音階音の中間音を取り交ぜた、独得のリズムを以て舞のテムポに調和させつつ、三種の打音楽をリードして行くので、これとても科学的に的確な説明は出来ないと考えられる。
— 夢野久作 『能とは何か』 青空文庫
日本に生れて日本の詩歌伝説に共鳴し、日本語の光りと陰影に慣れ親しみ、八拍子の序破急に対する感覚を遺伝し、舞のリズムと打音楽の調和を喜び得る純日本人ですら、能を見物して唯よかったとか、悪かったとか云うだけで、何故という質問に答え得ない位だから――。
— 夢野久作 『能とは何か』 青空文庫
たしかに今の矢代にとってそれは救いの音のような啓示のある打音だった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
」 とつづく打音は、矢代にある勇気を起させて澄み透って来た。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
」 と胸中で響き、靴音の響きともなり、巷のひびきを貫いて透って来る何ものかの打音ともなって、矢代もだんだん爽やかに首べが上って行くのだった。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
私は、小時計が銀の鐘聲を、柱時計が嗄れた顫へる打音を終る迄待つて、さて話を進めた――「昨日は一日中私は隨分|忙しく、そしてまた絶間ない騷ぎの中で隨分幸福でしたの。
— ブロンテイ 『ジエィン・エア』 青空文庫