寄る辺
よるべ
名詞
標準
place to go
文例 · 用例
我はかの悪僕に追立てられて詮方無く、その夜赤城の家を出で、指して行方もあらざればその日その日の風次第、寄る辺定めぬ捨小舟、津や浦に彷徨うて、身に知る業の無かりしかば、三年越しの流浪にて、乞食の境遇にも、忘れ難きは赤城の娘、姉妹ともさぞ得三に、憂い愁い目を見るならむ。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
止め度もない悒鬱と不安の吹雪が、私の魂を寄る辺もない地獄の底へ吹き飛す勢ひで、颯々と吹きまくつてゐるばかりなのである。
— 牧野信一 『鬼の門』 青空文庫
神枯れて気濁り、家破れて一族四散、寄る辺ない悪運の唇に」 源之丞はいつまでも蹲まっていた。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫
主人も「どうせ子供だね、知れたものだよ」と云って居るので到々広い世の中に寄る辺ないお久美さんは山田の「伯母さん、伯父さん」に育てられる事になった。
— 宮本百合子 『お久美さんと其の周囲』 青空文庫
もつと広い――いちばん広いひろさのなかへ置き残されてしまつたやうな寄る辺ない当惑だつた。
— ――夢と知性―― 『吹雪物語』 青空文庫
西国へおいでになったら、落人として、あちこちで討ち散らされ、寄る辺のない身の上におなりになりますぞ。
— 第七巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫
我々は彼が盲人の身で異郷に来て寄る辺もないのを気の毒に思い、かつてボースを匿まった画室に住まわせて、二、三年の間、家の者同様に不自由な彼の身のまわりの世話などしてやっていた。
— ――所信と体験―― 『一商人として』 青空文庫
だが、体内を調べると植物であるとの証拠が余りに多く得られ、その結果レイクは絶海の中に寄る辺無く投げ出される形になったのだ。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『狂気の山脈にて』 青空文庫
作例 · 標準
彼は寄る辺のない生活を送っていた。
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困った時、私にはいつでも帰れる寄る辺がある。
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失意の底にあった彼にとって、友人の言葉は唯一の寄る辺だった。
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