様前
さままえ
名詞
標準
文例 · 用例
わたくしが業平の方までまいりまして、その帰りに水戸様前からもう少しこっちへまいりますと、堤の上は薄暗くなって居りました。
— お照の父 『半七捕物帳』 青空文庫
」 身体を斜に風の当りを弱めながら小笠原|長門守様前を突っ切ると、次の一廓が松平修理太夫と和気行蔵の二構え、お長屋門の傍から松が一本往来へ枝を張っている。
— 無明の夜 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫
二太刀三太刀やり過したのは、そのお蔭というよりは、暗とぬかるみのせいだったかも知れませんが、兎も角も、雨合羽を少し裂かれただけで、大した怪我もなく、松平伊賀様前の、自身番の灯の見えるところまで辿り着いたのは、僥倖という外は無かったのです。
— 毒酒薬酒 『銭形平次捕物控』 青空文庫
お勝手口から覗いて、お神さんに取次は頼みましたが、――考へて見ると、私と染吉が妻戀稻荷樣前の縁臺で暫らく話して居たのを、お月樣の外には誰も見たわけではなく、此まゝ默つてゐさへすれば、私は何んの關係もない人間で凉しい顏をして居られます。
— 二枚の小判 『錢形平次捕物控』 青空文庫
二た太刀三太刀やり過したのはそのお蔭といふよりは、暗とぬかるみのせゐだつたかも知れませんが、兎も角も、雨合羽を少し裂かれただけで、大した怪我もなく、松平伊賀樣前の、自身番の灯の見えるところまで辿り着いたのは、僥倖といふ外はなかつたのです。
— 毒酒藥酒 『錢形平次捕物控』 青空文庫