鐃
にょう
名詞
標準
文例 · 用例
アフリカの蛮人でくちびるを鐃※のように変形させているのや、顔じゅう傷跡だらけにしているのがあるが、あれはどうもどう見ても美しいと思えない。
— 寺田寅彦 『藤棚の陰から』 青空文庫
最も苦しんだのは、小雷音寺の黄眉老仏のために不思議な金鐃の下に閉じ込められたときである。
— ―沙門悟浄の手記― 『悟浄歎異』 青空文庫
推せども突けども金鐃は破れず、身を大きく変化させて突破ろうとしても、悟空の身が大きくなれば金鐃も伸びて大きくなり、身を縮めれば金鐃もまた縮まる始末で、どうにもしようがない。
— ―沙門悟浄の手記― 『悟浄歎異』 青空文庫
身の毛を抜いて錐と変じ、これで穴を穿とうとしても、金鐃には傷一つつかない。
— ―沙門悟浄の手記― 『悟浄歎異』 青空文庫
)やがて、天界から加勢に来た亢金竜がその鉄のごとき角をもって満身の力をこめ、外から金鐃を突通した。
— ―沙門悟浄の手記― 『悟浄歎異』 青空文庫
角はみごとに内まで突通ったが、この金鐃はあたかも人の肉のごとくに角に纏いついて、少しの隙もない。
— ―沙門悟浄の手記― 『悟浄歎異』 青空文庫
鐃鉢を鳴らせ」 いろいろの手段によって漲り起こる妄想を打ち消そうとあせったが、それもこれも無駄であった。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
見た事もない小僧達が奧の方から澤山出て來て、鐃や太鼓を鳴らし始めた。
— 石川啄木 『天鵞絨』 青空文庫