蝉捕り
せみとり
名詞
標準
文例 · 用例
そして心から懐かしげに庭の樹々を見まわしたり、屋の棟を仰いだりして、あの石井戸の水を毎朝汲んだものだとか、そこの石の側で、あなたに叱られたことがあったとか、亀一様を背負ってよく蝉捕りをしましたとか――そんな回顧ばかり語り出した。
— 第三分冊 『新書太閤記』 青空文庫
彼がまだ、とんぼ頭をして、蝉捕りに夢中になって夏を真っ黒に遊び暮していた少年の頃、よくこの寺へ避暑がてら来ていた貴人がある。
— 吉川英治 『新編忠臣蔵』 青空文庫
奥田市長は、豆腐がすきで、膳の上は何から何まで、しかも三度三度、豆腐でなければ気が済まぬというのと、夏になれば童心に返って、モチ竿を振り回してセミ捕りをするのと、そのくらいしか覚えていないが、田尻市長の方は、もっとおもしろかった。
— 野村胡堂 『胡堂百話』 青空文庫