西陣
にしじん
名詞
標準
文例 · 用例
蜿蜒として衣桁に懸る処、恰も異体にして奇紋ある一条の長蛇の如く、繻珍、西陣、糸綿、綾織繻珍、綾錦、純子、琥珀、蝦夷錦、唐繻子、和繻子、南京繻子、織姫繻子あり毛繻子あり。
— 泉鏡花 『当世女装一斑』 青空文庫
今の錦紗のやや軽薄めいた技巧的感触や西陣お召の厳粛性のやうな感じとは全然ちがふもつと、ち、り、め、ん、といふなまめかしさ、いとしさ、やるせなさ、優しさの含んだ純粋絹をねりにねつてしなとこくとをつけた布地でした。
— 岡本かの子 『縮緬のこころ』 青空文庫
今のちりめんでは、綿紗とか西陣とか小浜とか立派な名を持つてゐるのより、むしろ名もないたゞの地になつて、やたらに友染の染め下地になつてるやうな普通のちりめんといふだけで通るあのちりめんがなつかしくて好きです。
— 岡本かの子 『縮緬のこころ』 青空文庫
庄平「で、いよ/\今日神戸の工場へ行くという訳だな」船山「はッ、もう西陣で織物をやってる時代やないと思いまして……」庄平「駅まで送って行こう」船山「はッ、見送っていたゞけますか」庄平「うん、そのうち神戸へ行ってやるよ。
— 織田作之助 『四つの都』 青空文庫
甥が西陣の織物屋を知つてゐるので、反物も少し心がけたりしてゐた。
— 徳田秋聲 『閾』 青空文庫
西陣の河井さんから電話で只今伺ひますからといつて來たといつた。
— 長塚節 『菜の花』 青空文庫
西陣を出たのは午頃であつた。
— 長塚節 『菜の花』 青空文庫
わたくしは弟と一しよに、西陣の織場に這入りまして、空引と云ふことをいたすことになりました。
— 森鴎外 『高瀬舟』 青空文庫
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西陣(にしじん)とは京都府京都市上京区から北区にわたる地域の名称。「西陣」という行政区域はない。高級絹織物の西陣織発祥の地であり、織物産業が集中する地域である。
出典: 西陣 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0