蛙鳴
あめい
名詞
標準
frog calling
文例 · 用例
蛙鳴くなる小田原は。
— 泉鏡花 『海神別荘』 青空文庫
蛙鳴くや一村姓を同じうす という素人俳句が記憶に残っているが、そんな工合で或る地方の出来事を書くに、その地方に有り勝ちの名前ばかりを使って事件を運べば、非常によく実感が出る筈であるが、そこまでは行届かないから略する事にしている。
— 夢野久作 『創作人物の名前について』 青空文庫
朝ばれのいつかくもりて眞白雲峰に垂りつつ蛙鳴くなり下ばらひ清らになせし杉山の深きをゆけばうぐひすの啼くつぎつぎに繼ぎて落ちたぎち杉山のながき峽間を落つる溪見ゆしらじらとながれてとほき杉山の峽の淺瀬に河鹿なくなり 湖もいゝ。
— 若葉の頃と旅 『樹木とその葉』 青空文庫
」夜は夜もすがら蛙鳴く。
— 堺利彦 『獄中生活』 青空文庫
漢詩では蛙の鳴くことを蛙鳴といい蛙吠というが、吠の字は必ずしも平仄の都合ばかりでなく、実際にも吠ゆるという方が適切であるかも知れないと、私はこの時初めて感じた。
— 岡本綺堂 『二階から』 青空文庫
蛙鳴く水田の底の底あかり 藤澤の旅籠屋を敲いて一夜の旅枕と定む。
— 正岡子規 『鎌倉一見の記』 青空文庫
霧のやうな小雨がじめ/\と時雨れると、何處からともなく蛙のコロ/\と咽喉を鳴らす聲が聞えて來ると、忽然、圭一郎の眼には、都會の一隅のこの崖下の一帶が山間に折り重つた故郷の山村の周圍の青緑にとりかこまれた、賑かな蛙鳴きの群がる蒼い水田と變じるのであつた。
— 嘉村礒多 『崖の下』 青空文庫
茅が崎は引潮時に蛙鳴きいかに都の恋しかりけん 七瀬さんの良人即ち唯一人のお婿さんが茅が崎の別邸で若い身空で亡くなつた時之を悼んだ作であるが、その子を思ふ切々たる哀調は永く読むものの心を打たずには置かないであらう。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
作例 · 標準
私は毎日蛙鳴について考えている。
蛙鳴という言葉は日本語で重要だ。
彼は蛙鳴の意味を理解している。
この文には蛙鳴が含まれている。