険山
けんさん
名詞
標準
文例 · 用例
四方八方険山であって、一所に滝が落ちていた。
— 国枝史郎 『生死卍巴』 青空文庫
広い石塊の原を横ぎり終ると今度は見上ぐるばかりの険山の連脈だ。
— 江見水蔭 『月世界跋渉記』 青空文庫
よし、その言い置いた通り白根の山ふところに入ったにしろ、そこでお君が兵馬に会えようとは思われず、いわんや、その道は、険山|峨々として鳥も通わぬところがある。
— 伯耆の安綱の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
なあに、あなた、険山難路を軽んずるわけではござりませぬが、白骨から平湯の間は三里の路と承りました、それに三日前に人間の通った道でござりますれば、わたくしにそのあとが追えないというはずはござりますまい。
— 弁信の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
里に出る時は散逸しても、険山難路を過ぐる時は必ず集合する。
— 流転の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
もちろんチベット人は非常に強壮なる肺を持って居るから平気で、かくのごとき険山を降り昇りして居るんですが私どもはなかなかチベット人の半分もない肺を持って居るのですから徒歩で上ることは思いも寄らんことです。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
ルーズヴェルト大統領は、険山を登って冒険的旅行をすることが大好きである。
— 大隈重信 『運動』 青空文庫
いずれもこの深い谷底から、一気に二千五、六百メートルを奔騰した、ただちに激しさを具象せしめたような、他の山脈に類を見ない、険山ぞろいである。
— 中村清太郎 『ある偃松の独白』 青空文庫