縫い上げ
ぬいあげ
名詞
標準
文例 · 用例
きのう縫い上げた新しい下着を着る。
— 太宰治 『女生徒』 青空文庫
カリエスの手術の際、外科医は完全に病竈を消毒もし、自己の手腕も揮い得て、最早や一微片の腐骨も中に留めまいと確信して肉を縫い上げます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
今夜はお民が縫い上げたばかりの緑絞りの錦紗の袷を京子に着せた。
— ――二つの連作―― 『春』 青空文庫
お前のに綺麗な衣服を、姉様と二人で縫い上げて、翌日は着せてあげようと楽みにして寝た晩から、あの邪慳な得三に、こうされたのはよく御存じでないかい。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
それはまだ半分も縫い上げられてはいなかった。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
こらこの通り」「おや、ひどい襟垢だ事、こないだ着たばかりだのに――兄さんは膏が多過ぎるんですよ」「何が多過ぎても、もう駄目だよ」「じゃこれを縫い上げたら、すぐ縫って上げましょう」「新らしいんだろうね」「ええ、洗って張ったの」「あの親父の拝領ものか。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
宅では御米が、宗助に着せる春の羽織をようやく縫い上げて、圧の代りに坐蒲団の下へ入れて、自分でその上へ坐っているところであった。
— 夏目漱石 『門』 青空文庫
この羽織は、三輪田のお光さんのおっかさんが織ってくれたのを、紋付に染めて、お光さんが縫い上げたものだと、母の手紙に長い説明がある。
— 夏目漱石 『三四郎』 青空文庫