鳴り音
なりおと
名詞
標準
文例 · 用例
煙のやうな水蒸氣は、一郷全體の木立を立ちこめつゝ自然の光景は如何にも靜かに、飛ぶ鳥もなく木の葉も動かずといふ有樣であるが、此の靜かな天地に包まれた人里は、どことなく賑かな鳴り音を潛めて居る。
— 伊藤左千夫 『古代之少女』 青空文庫
はてな」 ぴたりと鳴り音を止めて、ややしばしわが目を疑うように見守っていたけはいでしたが、とつぜんけたたましい声をあげました。
— お蘭しごきの秘密 『右門捕物帖』 青空文庫
人工心臓のモーターと錯覚したのは、咯血によって生ずる腹の鳴り音に過ぎなかったのです。
— 小酒井不木 『人工心臓』 青空文庫
その鳴り音をモルヒネの作用によって、人工心臓から生じた安楽の世界として誤認させられたに過ぎませんでした。
— 小酒井不木 『人工心臓』 青空文庫
毎晩ゴーゴーといって鳴り音が聞こえるだろう。
— 小川未明 『雪の国と太郎』 青空文庫
夜風は、木の枝に当たって、かすかに鳴り音をたてています。
— 小川未明 『木に上った子供』 青空文庫
あちらこちらには、たこがあがって、籐の鳴り音が聞こえていました。
— 小川未明 『雪だるま』 青空文庫
しばらく、なきだしたくなるのをこらえて立っていると、遠く石をころがすような海の鳴り音がきこえました。
— 小川未明 『ペスときょうだい』 青空文庫