画嚢
がのう
名詞
標準
文例 · 用例
松島には狩野永徳が待っている――扶桑第一とうたわれた、その松島の風景的地位というものも見定めておきたいし、黄金花さくという陸奥の風物は一として、わが画嚢に従来なかった土産物を以て充たしめざるはないに相違ない――が、前途、路は遥かだ。
— 勿来の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
それから、もう一つは、本業たる画師としての画嚢を満たさんがために、未だ見ざる名山大川に触れてみようというのと、持って生れた漂泊性を飽満せしめようとの本能もありました。
— 恐山の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
田山白雲は、一肩の画嚢をひっさげて、ゆらりと船から桟橋へ飛び移りました。
— 他生の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
もし似ていると思ったら、それを描いて頂戴な……」 十 田山白雲は保田を立つ時、予期しなかった二つの獲物を画嚢に入れて立ちました。
— 他生の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
田山白雲は、興に乗じて画嚢をさぐり、矢立を取り出して写生図を作りはじめました。
— Ocean の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
奥羽第一の大河としての北上川の沿岸をぶらついているうちに、その風光を画嚢に納めなければならない。
— 白雲の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
おかげで画嚢はこの通り。
— 邦枝完二 『おせん』 青空文庫
この頃画嚢を提げて山に入るこそ何らの清福。
— 中村清太郎 『ある偃松の独白』 青空文庫