衣通
そとおり
名詞
標準
文例 · 用例
なのりそとこしへに君もあへかもいさなとり海の浜藻のよるときどきを 衣通姫なのりそといふ藻をまだ知らぬ女の子よ、なのりそといふ藻は小鳥がたべる、いんや、さかながたべる。
— 北原白秋 『第二海豹と雲』 青空文庫
大郎女は世にまれなお美しい方で、そのきれいなおからだの光がお召物までも通して光っていたほどでしたので、またの名を衣通郎女と呼ばれていらっしゃいました。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
そのむかしの光明皇后、衣通姫、これらの尊き人びとを、お身は人間にあらずと見らるるか。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
後者はその肌の清らかなのを形容して衣通と呼んだのである。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
衣通媛の藤原|郎女であり、禊ぎに関聯した海岸に居り、物忌みの海藻の歌物語を持ち、また因縁もなさそうな和歌浦の女神となった理由も、やや明るくなる。
— 折口信夫 『水の女』 青空文庫
それによると、衣通媛の兄媛なる允恭の妃の、水盤の冷さを堪えて、夫王を動して天位に即かしめたという伝えも、水の女としての意義を示しているとするのだ。
— 折口信夫 『水の女』 青空文庫
やはりこの皇后の妹で、衣通媛のことらしい田井中比売の名代を河部と言うたことなどもおほゝどのみこの家に出た水の女の兄媛・弟媛だったことを示すのだ。
— 折口信夫 『水の女』 青空文庫
だが、衣通媛の名代は、紀には藤原部としている。
— 折口信夫 『水の女』 青空文庫