縹渺
ひょうびょう
形容詞-たる副詞-と
標準
boundless
文例 · 用例
廃屋と、煙と、春雨と、好個の三画題を取り合せて、真に縹渺たる詩情を描き出している。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
全体に縹渺とした詩境であって、英国の詩人イエーツらが狙ったいわゆる「象徴」の詩境とも、どこか共通のものが感じられる。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
この句を読むと、田舎の閑寂な空気や、夏の真昼の静寂さや、ひっそりとした田舎家の室内や、その部屋の窓から見晴しになってるところの、広茫たる一面の麦畑や、またその麦畑が、上風に吹かれて浪のように動いている有様やが、詩の縹渺するイメージの影で浮き出して来る。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
そうした初夏の野道に、遠く点々とした行路の人の姿を見るのは、とりわけ心の旅愁を呼びおこして、何かの縹渺たるあこがれを感じさせる。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
これらの句において、蕪村は或る心象的なアトモスフィアと、或る縹渺とした主観の情愁とを、白という言葉においてイメージさせている。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
この句から感ずるものは、各自に小さな家に住んで、それぞれの生活を悩んだり楽しんだりしているところの、人間生活への或るいじらしい愛と、何かの或る物床しい、淡い縹渺とした抒情味である。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
風景の中に縹渺する、彼のノスタルジアの愁思であろう。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
彼の亡き母に対する愛は、加賀千代女の如き人情的、常識道徳的の愛ではなくって、メタフィジックの象徴界に縹渺している、魂の哀切な追懐であり、プラトンのいわゆる「霊魂の思慕」とも言うべきものであった。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
作例 · 標準
夜空に広がる星々は縹渺としていて、その数の多さに圧倒された。
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広大な砂漠の真ん中に立つと、縹渺とした空間に自分の存在が小さく感じられた。
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未来への道は縹渺としており、どこへ向かうべきか見当もつかない。
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標準
faint
作例 · 標準
遠くの山並みが霞んで縹渺としており、幻のように見えた。
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彼女の記憶は縹渺としていて、もう昔のことはほとんど思い出せないらしい。
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薄明かりの中で、彼の姿は縹渺としていて、今にも消え入りそうだった。
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