羊頭
ようとう
名詞
標準
文例 · 用例
羊頭狗肉ではないつもりだ。
— 太宰治 『『老ハイデルベルヒ』序』 青空文庫
のみならず、読者に対してはどうかと云うに、これまた相済まぬ訳である……所謂羊頭を掲げて狗肉を売るに類する所業、厳しくいえば詐欺である。
— 二葉亭四迷 『予が半生の懺悔』 青空文庫
が、油汗を搾るのは責めては自分の罪を軽め度いという考えからで、羊頭を掲げて狗肉を売る所なら、まア、豚の肉ぐらいにして、人間の口に入れられるものを作え度い、という極く小心な「正直」から刻苦するようになったんだ。
— 二葉亭四迷 『予が半生の懺悔』 青空文庫
店に羊頭を掛けてその肉を売らんというものあり、客入りてこれを需むればこれに狗肉を与う、知らざる者は見て羊肉となし、しかして恠しまず、世間政論を業とする者これに類すること多し。
— 陸羯南 『近時政論考』 青空文庫
世に政党と称するものあり、今回当選の幸を得て帝国議会の議員となる人々は往々この党籍に在り、かかる人々はみな政事上に定見ありてもって党籍に入るものならん、しかしてその定見が必ず党議と相合するものなるべし、帝国議会の一員となれる人は豈に羊頭を見て狗肉を買うものあらんや。
— 陸羯南 『近時政論考』 青空文庫
怪しげな呪禁や祈祷をして、助かる病人まで殺してみたり、医者の薬を遠ざけて、ますます病気を悪くしてみたり、盛んに迷信や邪信を鼓吹して、愚夫愚婦を惑わしている、いいかげんな呪術師がありますが、ほんとうにこれは羊頭を掲げて狗肉を売るもので、あくまでそれは宗教の名において排撃せねばなりません。
— 高神覚昇 『般若心経講義』 青空文庫
羊頭を掲げて狗肉を売るとでも、悪口を云はれて御覧なさい。
— 芥川龍之介 『売文問答』 青空文庫
」角顋は、ポケットから朝日を一本出して、口へくわえながら、「こう云うものが出来ると、羊頭を掲げて狗肉を売るような作家や画家は、屏息せざるを得なくなります。
— 芥川龍之介 『MENSURA ZOILI』 青空文庫