望洋
ぼうよう
名詞
標準
文例 · 用例
定めたは宜いが実は望洋の歎で、少しも取付端がない。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
事々物々みな外国に比較して処置せざるべからざるの勢いに至り、古来わが国人の力にてわずかに達し得たる文明の有様をもって、西洋諸国の有様に比すれば、ただに三舎を譲るのみならず、これに倣わんとしてあるいは望洋の歎を免れず、ますますわが独立の薄弱なるを覚ゆるなり。
— 福沢諭吉 『学問のすすめ』 青空文庫
吾が党、この学に従事する、ここに年ありといえども、わずかに一斑をうかがうのみにて、百科|浩澣、つねに望洋の嘆を免れず。
— 福沢諭吉 『慶応義塾の記』 青空文庫
筆執りて机に臨めども、いたづらに望洋の歎をおこすのみ、言葉の海のたゞなかに櫂緒絶えて、いづこをはかとさだめかね、たゞ、その遠く廣く深きにあきれて、おのがまなびの淺きを耻ぢ責むるのみなりき。
— 大槻文彦 『ことばのうみのおくがき』 青空文庫
嶋が眼前四尺に見いだしたものは、興奮もしてゐない代りには強ひて冷静なのでもない、無感動といふか望洋といふか、要するにあたまも尻尾もつかみどころのない、さながらに生ける仮面だつたのである。
— 『白鳳』第一部 『春泥』 青空文庫