来筋
らいきん
名詞
標準
文例 · 用例
復一の育ての親とはいいながら、宗十郎夫婦はこの家の夫婦養子で、乳呑児のまま復一を生み遺して病死した当家の両親に代って復一を育てながら家業を継ぐよう親類一同から指名された家来筋の若者男女だったのだから。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
三浦老人の家は往来筋にあたっていないので、その横町へまがる時には、もう私と一緒にあるいている人はなかった。
— 岡本綺堂 『三浦老人昔話』 青空文庫
来たる英国公使参内の当日には、繩手通り、三条通りから、堺町の往来筋へかけて、巳の刻より諸人通行留めの事とある。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
往来筋に住居する町家その他の家族と召使いのほかは、他人一切の滞留を差し留めるともある。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
沿道の警戒は一層厳重をきわめ、薩州、長州、芸州、紀州の諸藩からは三十人ずつほどの人数を出してその事に当たり、当日の往来筋は諸人通行留めで、左右横道の木戸も締め切るという評判であった。
— 第二部上 『夜明け前』 青空文庫
――と老婆が涙ぐんで頭をさげていると、「だが」と侍はつづけて、「往来筋の掃除は、まだ人の出ん早朝のうちにいたしたがよろしかろう。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
それよりもお君の友達だから、やはり自分も家来筋か何かのように話しかけるのが、米友には心外でした。
— 小名路の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
「では、きまり次第に、その者をこの家まで向けてもらいたい、この家の主人は、もと拙者の家来筋の者じゃ、不在でもわかるようにしておく」「畏まりました、二三日中には必ず連れて参りまする。
— 小名路の巻 『大菩薩峠』 青空文庫