釈ける
とける
動詞
標準
文例 · 用例
投り出されてあった仕事も気にかかって来たし、打ち釈けるとじきに相談相手にされる生活のことなども、頭に絡わっていた。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
何事も隠そうとしているお銀の調子は、二人を一層打ち釈けることの出来ないものにしてしまった。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
結婚届まですましてあったお島と作太郎との関係についての鶴さんの疑いは、お島が説明して聴す作太郎の様子などで、その時はそれで釈けるのであったが、その疑いは護謨毬のように、時が経つと、また旧に復った。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
私は去年の冬妻を迎へたばかりで、一|体双方とも内気な方だから、未だ心の底から打釈けると云ふ程狎れてはゐない。
— 徳田秋聲 『背負揚』 青空文庫
惟ふにわたくしの彼疑が釈けたら、随つて和田さんの此疑も釈けるのではなからうか。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
教へながら、釈きながら居る人の態度として、懐疑的であるといふのは、困つたものであるが、事実、日本の古い言葉・文章の意味といふものは、さう易々と釈けるものではなさゝうだ。
— 折口信夫 『神道に現れた民族論理』 青空文庫
にらいに対するかないは対句として出来た語で、にらいが知れゝば、大体は釈ける。
— 常世の国 『古代生活の研究』 青空文庫
それを我々が今日見ますと言ふと、いとしいとも釈けるし、嫌だ、嫌ひだとも釈けるのですけれども、昔の人はその間の考へ方と言ふものを、見つけてゐたんです。
— 折口信夫 『国語と民俗学』 青空文庫