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此度

こたび
名詞
1
標準
文例 · 用例
私の習慣として、手紙は読んで了へば、大概棄てるし、殊に訃報は直ちに破くのであるが、此度も私は読み終るや破かうとしたが、ハツと思つて思ひとゞまり、薄墨色のインクで印刷された端書をもう一度マジ/\と見直した。
中原中也 逝ける辻野君 青空文庫
此度オフィリヤの残念なる失態に依り、おいとましなければならなくなって、ポローニヤスの胸中には、さまざまの感慨が去来いたして居ります。
太宰治 新ハムレット 青空文庫
もし、ポローニヤスの此度の手段が間違って居りましたら、どんな御処刑でも甘んじてお受け致します。
太宰治 新ハムレット 青空文庫
ポローニヤス、此度は、職を辞するくらいでは、済みませんよ。
太宰治 新ハムレット 青空文庫
自分の健康の行詰まりには此度の伊香保がサム・シングであつたのである。
寺田寅彦 伊香保 青空文庫
王子は、四年前の恐怖を語り、また此度の冒険を誇り、王さまはその一語一語に感動し、深く首肯いてその度毎に祝盃を傾けるので、ついには、ひどく酔いを発し、王妃に背負われて別室に退きました。
太宰治 ろまん燈籠 青空文庫
いやそれだから、此度なんかもまったくひどく困ったよ。
宮沢賢治 楢ノ木大学士の野宿 青空文庫
不自然な老いが此度の手紙には察せられるではないか。
梶井基次郎 川端康成第四短篇集「心中」を主題とせるヴァリエイシヨン 青空文庫