覚え込む
おぼえこむ
動詞
標準
文例 · 用例
書物などで読んだことも、一々はっきり、頭に覚え込むという風でした。
— 岡本かの子 『トシオの見たもの』 青空文庫
出せなければ楽しむ訳に参らんからやむをえずこの過程を冥々のうちにあるいは理論的に覚え込むのであります。
— 夏目漱石 『創作家の態度』 青空文庫
それを一番よく知つてゐるのは、京都大学の内田銀蔵博士で、博士はどこへ訪ねて往つても、自分の帽子を帽子掛けにかけた儘、物の一二分は屹度その前に立つて釘の番号から恰好迄ちやんと覚え込む迄は客間に通らうとはしない。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫
無数の薬の名前と、その置き場所とをすつかり覚え込むまでには、かなりの日数を費した。
— 加能作次郎 『世の中へ』 青空文庫
中には、赤ん坊にどう云う風にして湯をつかわせるか、台所の油虫はどんな薬で退治るかを教える映画や、性病予防の宣伝フィルムなどもあって、それを見ているうちに、ごく日常的であるが大切な衛生思想を覚え込むと云う場合が多くある。
— 宮本百合子 『ソヴェト同盟の芝居・キネマ・ラジオ』 青空文庫
段々慣て来てこの位な火なら何分間位持っていて中の熱度がどの位になると解りますけれどもその加減を覚え込むまでは幾度も丁寧に測って見なければなりません。
— 秋の巻 『食道楽』 青空文庫
あんなものは最初五、六遍|失敗って覚え込むまでは大層面倒なようですけれどもすっかり覚え込むと案外に無造作なものです。
— 秋の巻 『食道楽』 青空文庫
法律について理解し考えるということよりも、法律とその解釈とを矛盾のない形で覚え込むということが、官吏養成の急務であったために、大学の講義がそういうものとなっても誰も怪しまないのである。
— 戸坂潤 『世界の一環としての日本』 青空文庫