灰殻
はいがら
名詞
標準
ashes
文例 · 用例
」 夫人は遂々冗談を本当に仕上げて満足そうに帰りかけたが蓋をした灰殻壺の中の憐れっぽい子雀の籠った鳴声に気付くと流石に戻って、――可哀想なことをしたのね。
— 岡本かの子 『巴里祭』 青空文庫
あの肥大な虫の汁気という汁気はことごとく吸い尽くされなめ尽くされて、ただ一つまみの灰殻のようなものしか残っていなかった。
— 寺田寅彦 『簔虫と蜘蛛』 青空文庫
とんとん二三度叩いて、灰殻を落した。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
辰馬は終の灰殻を火鉢の縁へ強く叩いて、「そして、何うだね。
— 眞山青果 『茗荷畠』 青空文庫
またもはや一たび一人の少女に情熱を捧げて、燃えのこりの灰殻のような心です。
— 倉田百三 『愛と認識との出発』 青空文庫
今は一つも使ひませんが、その頃使はれてゐたはいからと言ふ言葉は、襟が高いと言ふ意味のはい・からあを、「灰殻」と宛て字を書いてもいゝやうな、さう言ふ内容をもつて来てをつたのでせう。
— 折口信夫 『国語と民俗学』 青空文庫
それで「灰の殻」として、しきりに使はれてをりましたが、その灰殻と言ふ記号をば飛越えて飛躍し、はいからと言ふ言葉が、非常に使はれ行はれて来ました。
— 折口信夫 『国語と民俗学』 青空文庫
『まあ……』と、その友達は顏を見て、活溌で、無邪氣で、文章が上手で、先生達にかはいがられてゐたその人が……といふやうな顏をした。
— 水野仙子 『四十餘日』 青空文庫
作例 · 標準
焚き火の跡には、灰殻だけが残っていた。
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